連邦憲法裁判所(das Bundesverfassungsgericht, BVG, その所在地から、Karlsruhe とも)は7月21日、1歳以上3歳未満の子どもを保育園に通わせず、自宅で面倒見る親に支払われる自宅保育手当(das Betreuungsgeld)は、違憲だどする判決を下しました。
 

das Betreuungsgeld とは
Wem Betreuungsgeld nützt – und was es kostet (tagesschau.de)

 
「Betreuungsgeld」は、2012年8月1日以降に生まれた子供を対象に、1歳から3歳になるまでの間、公的な託児所に預けず、自宅などで面倒を見る保護者に支払われる手当。当時のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)と自由民主党(FDP)の連立政権下で、2013年8月1日から導入されました。支給額は月額150ユーロ(導入当初は100ユーロ)。

 
これは、予定していた保育園の拡大が大幅に遅れていたことに伴う対策の一つ。この制度を推し進めていたCSUは、保育園を市が支援しているように、自宅で子どもを育てる保護者を支援する、保育園に入れず自分で面倒を見たいという選択肢(Wahlfreiheit)もある、と説明していました。

 
しかし、野党だったドイツ社会民主党(SPD)はこの手当を「Herdprämie(Herd=料理をするこんろ、Prämie=奨励金、つまり「飯炊き奨励金」)」として非難、女性の仕事復帰が遅れる原因になると猛反対しました。この手当は、導入当初から物議を醸していた制度だったのです。

 
ちなみにこのBetreuungsgeld、子育て先進国とされるスウェーデン、ノルウェー、フィンランドでも以前から導入されています。しかしこれらの国でも、手当を受けている人は、低学歴、低所得、移民の背景を持つ女性が顕著に多いということがわかっており、 北欧でもドイツと同様問題視されています。移民の子どもたちのドイツ語能力が育たない、という懸念も、実際にあります。

 
とはいえ、今回、連邦憲法裁判所が違憲としたのは、こういった理由からではなく、このような制度はドイツ全体である連邦で管轄するものではなく、各州の管轄に入るものだと判断したから。各州の水準を一定に保つためであれば、連邦が管轄することになる。でも同手当は保育園の空きがある地域の人にも、保育園が不足している地域の人にも同じように支払われており、連邦が導入すべき制度ではないとみなしました。
 

同手当の受給率は州によってさまざま。全体的に、旧東ドイツの州で少なく、バイエルン州など南部で多い。
Überblick in Zahlen: Das Betreuungsgeld – wer es nutzt, was es kostet

 
いずれにせよ、SPDは連邦憲法裁の判決を歓迎。今後、同手当の改正が必要になってきますが、今回の判決で、今後新たに受給申請をすることはできなくなりました。一方CSUはすでに、同党が根強い支持を得続けているバイエルン州で、手当の支給を継続する考えを表明しています。

Betreuungsgeld は違憲 連邦憲法裁が判決

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