Kitastreik

ドイチェ・バーン(DB)、ルフトハンザ、ドイチェ・ポストのスト──。このところ、至る所で繰り広げられているストライキ。中でも、5月8日からドイツ全国で一斉に開始された市営の保育園・幼稚園ストは、何の進展もないまま3週目に突入しました。

電車や飛行機が動かなくなったら、文句の一つや二つも言いたくなりますが、ドイツではストライキは労働者の権利として、(ある程度)理解されています。

ドイツのストライキ(der Streik)について:ドイツは “スト共和国”か? (newsdigest.de)

今回の保育園・幼稚園ストライキは賃金アップなどを求め、当初2週間の予定でスタートしました。園が閉鎖されるとなると、もちろん保護者に大きな影響がでます。子どもの面倒を見てくれる人がいなくなるから、仕事ができなくなる。それでも保護者は、スト決行に理解を示し、おじいちゃん、おばあちゃんに助けを求めたり、シッターさんを雇ったり、有給を取ったりしながら、これまでなんとか乗り越えてきました。

今回のストの背景は?:Worum es beim Kita-Tarifstreit geht (tagesschau.de)

ただ乗り越えようとしてきただけではありません。保護者としてストに貢献し、なるべく早くストを終わらせようと、あらゆる行動に出ています。例えば保育料。スト期間中、被雇用者には給料が支払われません。つまり、保護者が支払っている保育料は全額、市側に流れているだけなのです。つまり市側にしてみれば、ストは痛くもかゆくもない。というよりも、かえってもうけちゃっている。だから保護者は市側に圧力をかけようと、保育料を返せと繰り返し文書で要求したりしています。非常に協力的です。

スト中は給料が支払われませんが、労働組合から組合員に、スト手当(das Streikgeld)が支払われます。これはストをした際に受け取れなくなる給料の保険のようなもので、組合員が毎月給料から支払っている、いわゆるスト軍資金から出ています。軍資金が底をついたら、労働組合側にとってもスト続投が困難になっていきます。

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入学前の子どもたちを日中面倒みる施設 die Kita = die Kindertagesstätte

保護者の活動も功を奏し、ストで閉園になった分の保育料を返金すると発表する市も出てきています。またスト中子どもの面倒を見る施設として、園を園児に開放して欲しいという保護者の訴えも、届いています。とはいえ、一番肝心な労使交渉は全く進展なし。これには保護者のいらだちも募ってしまいます。有休も使い切ってしまった、こんなに長く休んだり、時短労働をしたりしていたら、上司からの理解もどんどん得られなくなってしまう。そしてストを行っている当の保育士らにもダメージが及んできます。

ストは被害や損失を与えて成り立つもの。ダメージを受けるべきなのは、雇用者なのに、今回のストは保護者そして被雇用者である保育士らになってしまっています。そうなるとストを指揮している労働組合への不満が募ってきます。一体何をやっているのか、さっさと話し合いを進めてくれと。

労働組合(die Gewerkschaft, -en):唯一ストを行えるのは労働組合。今回の保育園・幼稚園ストを行っている保育士らが加盟している労働組合「統一サービス産業労働組合(ver.di)」、「教育・学術労働組合(die Gewerkschaft Erziehung und Wissenschaft :GEW)」および「ドイツ官吏同名(der Deutsche Beamtenbund : dbb)」。これら労組に対抗するのが、市側の使用者団体連合、「地方自治体使用者団体連合会(Vereinigung Kommunaler Arbeitgeberverbände : VKA)だ。労使交渉はこの両者が代表して行う。

ストも3週目が終わり、4週目に入ろうとしていた5月28日、ハンブルクやフランクフルトをはじめとする全国各地で大規模なデモが行われました。ようやく重い腰を上げたのは、市側の使用者団体連合「VKA」。労組との話し合いの場を6月2日に行うといいます。朗報とはいえ、ストは続きます。

保育園・幼稚園ストから読むドイツ語

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