話法の助動詞 sollen 「他者の意思」客観的表現編に続き、今日はパート2として、主観的発言編です。

 
その前に、「客観的表現」をおさらいすると──
 

sollen vs. müssen

sollen の客観的表現用法は、自分ではなく、他者から来る依頼、要望、義務、命令を表し、「誰々がこうしろといった」ということを客観的に伝える表現です。でも、それら依頼等を受けるかどうかは、自分の決定によります。

Ich soll mit dem Rauchen aufhören.
禁煙しなさい、と(医師から)言われた。
 
 
そして、この sollen と間違いやすいのが、müssen。müssen も sollen と似ていて、義務や命令を表すのですが、こちらは、絶対的な、有無を言わさない命令や義務で、それに対する本人の意思は問われていません。

Sie müssen mit dem Rauchen aufhören.
(医師が患者に対し)禁煙しなさい。

*この文章で、müssen ではなく sollen を使う(Sie sollen mit dem Rauchen aufhören.)と、発言した医師からの命令ではなくなります。つまり、例えば、担当医が休暇中のため、今回だけこの医師が対応しており、担当医が禁煙するよう言っていた、と患者に伝えたニュアンスなります。

 
 
今回取り上げる主観的表現でも、sollen が自分の発言ではなく、他者の発言を伝えている点では同じです。
 
Er soll krank sein.
彼は病気だそうだ。(彼が病気だと、彼ではない違う人、例えば彼の奥さんから聞いた)
 
“主観的”表現というのは、そう聞いたけれど、本当に彼が病気なのかは、わからないという「主観」が混じっていることから。
 
 
そしてこの、sollenの主観的表現で似た表現は、wollen。
 
Er will krank sein.
 
となると、彼が自ら「自分は病気だ」と言っていた、と伝えるニュアンスになります。つまり、wollen だったら本人がそう言っていた、sollen だったら、本人以外の誰かがそう言っていた、となります。
 
 
 

とまぁ、ややこしいですね。書いたことで、さらにややこしくさせてしまったかもしれません。でも、客観的表現、主観的表現という難しい言葉を使って、この2つの用法を区別したのは、ちゃんとわけがあります。
 

sollen に限らず、客観的表現で使われる話法の助動詞と、主観的表現で使われる話法の助動詞では、過去形の作り方が違うのです。厳密に言うと、過去形は双方とも同じなので、過去のことを表す時には、客観的表現なのか主観的表現なのか、その区別をつけるため、過去完了形を使います。つまり、過去完了形が違うのですね。
 

 
次の客観的表現の例文

Du sollst Hausaufgaben machen.
宿題をしなさい。(母親の要求)
 

を過去形(過去完了形)にすると、

Du hast Hausaufgaben machen sollen.
 
とまぁ、これは普通の過去完了形の作り方と同じですね。(sollen が不定形であることには注意!)
 
 
 
では次の主観的表現の例文はどうでしょう。

Er soll krank sein.
 
 
 

これは、
 
Er soll krank gewesen sein.
 
と 話法の助動詞 + 過去完了形(haben/sein) になります。
 
病気だったことが過去なので、話法の助動詞の時制はそのままですね。
 
 

とはいえ、特に口語では、シチュエーションで主観的表現での意味なのか、客観的表現での意味なのかはわかることがほとんどなので、はっきり言ってしまうと、過去形を使っても問題はありませんし、間違いでもありません。

話法の助動詞 sollen その2 主観的表現編

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